この記事では、肩を回した時にゴリゴリと音が鳴って痛みが出るのはなぜなのか、というのを解説しています。
結論から言うと、肩の関節と周辺の動きに問題があって、音がする状態になっています。
肩の関節がスムーズに動くように筋肉がバランスよく収縮してくれると、ゴリゴリと音が鳴ったり痛みが出ること自体もなくなっていきます。
関節と筋肉の動きが噛み合った動きになれば、気にせずに腕を上げることができるようになります。
肩がゴリゴリと鳴り、痛みが出る仕組みと解決方法をご紹介します。
皆さんこんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります、ひびきヶ丘鍼治療院の院長、境田です。
「肩を回すとゴリゴリと音が鳴る」
「 腕を上げると肩が引っかかって痛い」
このようなお悩みはありませんか?
肩に関してのご相談は多いですが、その中でもゴリゴリ鳴る感覚がするという方は少なくないです。
さらに痛みがあるとなると、腕を動かすのがだんだんと怖くなってきますよね。
肩は複雑な構造をしていますが、筋肉の動きを改善していくことで、スムーズに動かせるようになっていく可能性があります。
今回は、肩がゴリゴリと鳴る理由と痛みの解決方法をご紹介します。
肩が鳴る理由
肩を回した時のゴリゴリという音は、何が原因なのでしょうか。

この音は、筋肉の端にある腱(けん)が擦れる音や、肩甲骨と肋骨の間で筋肉が潰されて弾けた時の、擦られた弦(げん)のように弾ける時に鳴る音です。
また、肩の関節の中の組織が、関節の中で擦れ合っている可能性もあります。
肩の構造
次に、肩の関節のつくりについて説明をしておきます。
肩の関節というのは、肩甲骨と腕の骨(上腕骨)で作られています。
肩甲骨の端は浅い受け皿のようになっていて、腕の骨の端がボールのようになっています。
浅いお皿にボールがはまり込むような形で関節が作られています。

肩の関節は身体のなかで一番立体的に大きく動かすことができる関節ですが、動きが大きい分、とても外れやすく不安定な状態になっています。
関節が外れて脱臼を起こさないように、その周りをたくさんの細かい筋肉が巻きつくように関節を止めていたり、関節が外れないように肩甲骨の端っこが吸盤のような作りをしていたりします。
そのおかげで、肩は外れることなく、不安定な中でも自由に動かすことができるようになっています。
また、腕を上げる動きをする時には、肩の関節だけが動くわけではありません。
肩甲骨とつながる鎖骨が動いたり、腕を上げる角度によって肩甲骨も外側に開きながら上がっていくような形で動いていきます。
特に、腕が上がる角度と肩甲骨が外に開く角度は、必ず決まった比率で動くようにできています。
この比率が崩れてしまうと、特定の筋肉や関節の組織に負担がかかりやすくなってしまいます。
肩の動きを決める筋肉
腕を上げたりねじったり、肩は色々な動きをしますが、その時に使われる筋肉の力関係によって動きが決まってきます。
ここでは、特に縮みやすい筋肉と、引っ張られて力が抜けやすくなる筋肉を紹介します。
縮みやすい筋肉
まず、胸についていて、肩甲骨を前側に引っ張る胸の筋肉(小胸筋)。
そして、脇を締めたり腕を内側にねじる方に引っ張る大きな筋肉(広背筋)。
そのほかにも、肘を曲げる筋肉や、手を内側にねじる動きをさせる筋肉などが縮まって、肩甲骨の動きを悪くしてしまうことがあります。
引っ張られて力が抜ける筋肉
肩甲骨と背骨の間にある筋肉(菱形筋)は、肩甲骨を背骨に引き寄せる働きをします。
この筋肉に力が入らなくなると、肩甲骨はどんどん背骨から離れていき、腕を上げていないのに肩甲骨が外に開ききってしまっている状態になります。

この状態で腕を上げると、肩甲骨がうまく動かずに筋肉の負担が増えたり、肩甲骨と肋骨の間でゴリゴリと擦れる音がするようになったりします。
そして、背中から肩にかけて大きくついた筋肉(僧帽筋)の下側の部分も、肩甲骨を内側に寄せる働きがありますが、この筋肉も力の入りが悪くなります。
また、背中が丸まった体勢になると、背中を起こす脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)という筋肉に力が入りづらくなり、背中が丸まった状態、いわゆる猫背状態になりやすくなります。
肩の関節を支える腱板
専門的な言い方をすると「回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)」と言いますが、肩甲骨から肩の関節をまたいで、腕の骨(上腕骨)につくいくつかの筋肉があります。
この筋肉は、腕を上げたりひねったりする時に、肩の関節が悪い位置に行かないように、外れたりしないようにと支えている、特に大切な筋肉になります。
この筋肉の働きが悪くなり、関節の動きが安定しないと、腱が擦れたり、関節の中で擦れ合うような現象が起きて、ゴリゴリと音が鳴るようになります。

音が鳴るだけなのは問題なのか
ただ、痛みがなくコリッと鳴るくらいなら、特に問題はないかと思います。関節の作りにも個人差があるので、構造上どうしても擦れてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、人に聞こえるくらいのゴキッという大きい音が鳴ったり、軽く動かしただけでも頻繁に大きい音がする、引っかかって動きに制限があるなどがある場合は注意が必要です。
繰り返し動かしていくうちに腱が損傷してしまったり、動きの悪さから関節の痛みにつながる場合があるので、早めに改善した方がいいと考えています。
動きが悪くなる原因
偏った使い方
特に、目の前で細かい作業をしたり、長時間腕を内側にねじってデスクワークをしているような方や、物を持ち上げることが多い方など、使い方が一定方向に偏っている場合です。
使う筋肉が偏ってくると、それに合わせて、使わない筋肉と使いすぎている筋肉の力の関係が崩れていきます。
腕を上げない生活
生活の中で、真上にピンと腕を上げることって、日常的にあるでしょうか?あまりないですよね。
人間の身体は、普段しない動きというのは、どんどん「やらなくてもいい」ように退化していきます。
関節の動きも悪くなれば、筋肉の伸びも悪くなり、力の入りも悪くなってしまいます。
スポーツの影響
野球やテニス、バレーボールなど、肩を大きく回したり物を投げたりするようなスポーツをやっていた方は、片方の肩にだけこういった症状が出ることがあります。
特に問題がない方もいますが、やっていたスポーツによって身体の動かし方の癖や、筋肉の緊張や関節の靭帯が緩んだり可動域の変化などが起きて、音が鳴ったり痛みの症状につながることもあります。
背中、肘、手首の動きの悪さ
腕を上げたり、指を動かしたり、何か手を使う動きをする時は、背骨から腕まで、指の先まで全身が連動して動きます。
特定の関節がうまく動かなかったり、どこかの筋肉の緊張が強すぎたりすると、全身の連動が破綻してしまって、1箇所に集中して負荷がかかることになります。
重心の移動が苦手
これは立っている時の腕の動きに関係します。肩が動く時は、必ず下半身にも重心移動や力の入りが関わってきます。歩いていて腕を振ったり、腕を上げる時に、足の体重のかかり方や重心移動が少なくなっていると、肩の筋肉への負担が大きくなり、繰り返しているうちに肩の筋肉ばかりが緊張してしまうことになります。
肩の音・引っかかりを抑える改善方法
ここでは、酷使して硬くなりやすい筋肉を緩め、普段使わなくなりがちな筋肉を使っていくことで、肩甲骨の動きを改善していく方法をお伝えします。
筋肉を使う運動
二の腕の筋肉
手を頭上に上げてまっすぐ伸ばします。
肘の位置は動かさないまま、肩の高さ、肩の角度は変えないままで、肘を曲げて素早く自分の首元をタッチします。
タッチした後は、素早く元の位置に戻ります。下ろす時は重力に任せて下ろし、タッチをしたらすぐに戻ります。
二の腕の筋肉を刺激して、肩を後ろに引きやすくする運動です。


背中の筋肉
肩をすくめないように注意しながら、肩甲骨を背骨に向けて寄せていきます。
肘は90度に曲げて、親指を外側に向けた状態で行うとやりやすいです。みぞおちを少し前に突き出しながら、背中に力が入る感覚を覚えてください。

肩と全身の運動
肩と全身を連動させて動かす運動をご紹介します。
重心移動に合わせた肩の動き
片方の腕を真上に上げます。 上げた腕と同じ側の足の外側に体重をかけながら、腕を上げて大きく上へ伸びます。 身体は対側にそらされるような形になって構いません。
体重移動を合わせながら、腕を上げる練習になります。

足の前後開脚と腕の伸ばし運動
足を前後に開き、前に出した足と反対側の腕を斜め前に伸ばしていきます。
体重は前側の足にかけてあげてください。
ストレッチや筋トレではないので、きつさを感じるまでやらなくても大丈夫です。
体重の移動に合わせて、自然と腕が動くイメージを持ってください。

ねじれの連動(横)
立った状態で、手を真横に開きます。 片方の手は内側にひねり、肩も内側にねじりながら前に出していきます。
反対側の手は外側に開きながら、顔もそちらの手に向けていきます。
手首をねじるだけではなく、肩甲骨や首も一緒にねじれていくイメージで動かしてあげてください。
左右交互に、リズムよく行います。

まとめ
肩がゴリゴリと鳴る、痛みがある症状は、筋肉の腱や関節の中が擦れる音です。頻繁に大きな音が鳴る状態や痛みがある状態は、肩をさらに痛めて動きを悪くする原因になるので、早めの改善がおすすめです。
まずは、ただ腕を上げる運動をする頻度を増やすだけでもいいので、関節を肩甲骨から大きく動かすように意識してみてください。
肩の構造はとても複雑で繊細な作りをしています。どんどん音が大きくなっていたり、引っかかる感覚が強くなっていたり、すでに可動域が狭くなっている方は、改善すべきポイントをご自身で特定して改善していくのはとても難しいものです。
そういった方は、1人でがまんはせず治療を受けてみてください。
当院でも、肩回りのお悩みを鍼治療と整体治療を組み合わせて治療しています。全身の可動域や動かし方を確認しながら、全身が負担なく動けるようにお手伝いします。長期間のお悩みや悪化している方は、ぜひご相談ください。
何も気にせず肩が動かせるように、一緒に改善していきましょう!


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