この記事では、呼吸が浅くなってしまう原因と、関連して起こる不調、そして深い呼吸を身につける方法を解説しています。
呼吸はお腹や肩の筋肉、背骨の動きが硬くなることで浅くなり、自律神経の乱れなどにつながって、だるさやコリ、痛みなどの不調を引き起こしやすくなります。
今回は、呼吸を深くして不調の改善につなげる方法を解説します。
はじめに
皆さんこんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります、ひびきが丘鍼治療院の院長、境田です。
「マッサージに行ったり湿布を貼ったりしているけれど、肩こりが良くならない」
「なんとなくだるい状態が慢性的に続いている」
このようなお悩みはありませんか?
肩こりや腰痛、なんとなくだるいなど、日々さまざまなお悩みを伺いますが、これらの症状の原因として呼吸が関連していることが非常に多くあります。
「原因が呼吸?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、「確かに呼吸は浅い気がする」とお話しされる方もとても多いです。
過去にマッサージや整体など、いろいろと治療してみたのによくならない場合は、呼吸の浅さによって改善しにくい状態になってしまっているかもしれません。
今回は、呼吸が浅くなってしまうことで起こりやすい不調と、呼吸を深くするための方法を解説していきます。
呼吸が浅いと、何が問題なのか?
当院へ治療を受けに来られた方も、肩の張りや腰の痛みに困っているのに「どうして呼吸の話になるのか」と疑問に思われることがよくあります。
もちろん呼吸がすべてというわけではありませんが、呼吸が浅くなることで身体のコリ感や痛みを引き起こしやすくなってしまうケースはとても多いです。
まずは、呼吸が浅くなると身体にどのようなことが起こるのかを説明します。
酸素不足を起こす
人間は呼吸によって酸素を取り入れ、その酸素が血管を通って全身の組織に運ばれていきます。
この酸素が足りなくなると筋肉は栄養不足を起こして硬くなり、痛みを感じる物質を出すようになります。
また、脳に向かう酸素の量が少なくなると、眠くなったりぼーっとしたりするだけでなく、頭痛やめまいが起こったり、神経の伝達が鈍くなって無意識的に身体の動きが悪くなったりすることもあります。
首や肩、お腹の筋肉が硬くなる
呼吸が浅くなると、肺がうまく膨らまなくなります。
そうすると、なんとか息を深く吸おうとして首や肩の筋肉に力を入れ、肋骨や鎖骨を引き上げて頑張って呼吸をする状態になります。
イメージとしては、運動した後の肩で息をしているような状態です。
息を吸うたびに首や肩の筋肉が緊張するため、疲労してコリを感じたり痛みを引き起こしたりすることにつながります。

また、背中が丸まって肺の下側を膨らませずに呼吸を続けていると、お腹の筋肉は伸び縮みする機会がなくなり、どんどん縮こまって硬くなってしまいます。
この首や肩の筋肉の力の入りすぎや、お腹の硬さが、さらに深い呼吸を妨げるという悪循環を起こします。
自律神経が乱れる
自律神経は、身体を活動的にさせる神経(交感神経)とリラックスさせる神経(副交感神経)に分けられます。

呼吸が浅くなると交感神経が活発になりますが、交感神経が活発になると血管が収縮してさらに酸素不足になります。その結果、筋肉の緊張が抜けずにコリや痛みにつながったり、内臓の働きが悪くなったりしてしまいます。
そして夜になっても交感神経が活発なままだと、睡眠が浅くなり、歯ぎしりや不眠症、朝起きた後の身体のだるさや痛みにつながることもあります。
まとめると、以下のような症状をお持ちの場合は、呼吸の浅さが関係しているかもしれません。
- 筋肉のコリ、痛み
- 神経痛
- だるさ
- むくみ(浮腫)
- 頭痛
- 冷え性
- 内臓の不調
- うつ症状
- 食いしばり
- ひどい生理痛
- 強い更年期症状
- 動悸
- のぼせ
- 異常に汗が出る
- 不眠症
- 耳鳴り
- めまい
など
非常に多いですよね…
程度の差はありますが、こういった症状には少なからず呼吸が関係しています。
つまり、いろいろなお悩みに対して呼吸の改善が必要になってくる場面がとても多くなっています。
反対に言えば、呼吸を改善することで解決につながりやすくなるお悩みがたくさんあるということです。
呼吸が浅くなる原因
呼吸が浅くなってしまうのは、上記のような状態が悪循環を起こしてどんどん悪化していく場合もありますが、その他にも以下のような原因が隠れている可能性があります。
決まった動きのみを繰り返している
人間の身体は、普段行わない動きは徐々にできなくなっていきます。
筋肉は動かさなければ伸びなくなり弱くなりますし、関節も動かさなければどんどん硬くなります。
また、神経の伝達が遅くなるため、していなかった動きはできなくなります。
学生時代にやっていた運動が同じようにできなくなるのは、加齢だけが理由ではなく、その運動を毎日行わなくなったからでもあります。
日常のルーティーンの中で同じ身体の動きや刺激ばかりを続けていると、身体はそれ以外の動きができなくなり、どんどん動きが小さくなり、疲れやすくなります。
筋肉や関節の動きの硬さが背骨や肋骨の動きを悪くしてしまい、肺が圧迫されて呼吸が浅くなってしまいます。
心身のストレス
ストレスも呼吸に大きな影響を与えます。
脳がストレスを感じると、脳の神経からつながる首の筋肉やお腹の筋肉などが緊張します。
この緊張が呼吸を浅くして、首や肩の筋肉をさらに硬くするという悪循環につながりやすくなります。
精神的なストレスのほかに、環境的なストレスも身体に影響します。
気圧や天気の急変、寒暖差など、環境的な変化も身体の状態を維持するために自律神経に負担がかかります。
季節の変わり目に体調が悪くなる方が多いのはこのためです。
胸郭(きょうかく)の硬さ
胸郭とは背骨(胸椎)と肋骨、胸骨でできています。

肺を含む内臓が収納されていて、呼吸と深い関係があります。
背骨(胸椎)のすぐ横には交感神経がびっしりと張り巡らされているため、背骨の動きが悪くなると神経の伝達が鈍くなり、交感神経がより緊張しやすくなります。
また、肋骨の動きが硬くなると肺が大きく膨らむのを邪魔してしまいます。
肋骨が横に膨らまないと、胸郭のいちばん下に付いている横隔膜の動きが悪くなってしまい、肺が下に膨らまなくなってしまいます。

肺が下に膨らまなくなると、首や肩の筋肉に力を入れて肋骨を上に引き上げて息を吸うようになります。
その結果、肩を引き上げて頑張って息をするようになってしまい、呼吸をしているだけで首や肩が緊張してしまいます。
呼吸を深くするためのセルフケア
深い呼吸を身につけるためのセルフケアをご紹介します。
お腹のストレッチ
うつ伏せの状態から両肘を床につけ、上半身を起こします。
腰が反らないように注意しながら、お腹の筋肉を伸ばしていきます。
腹筋が伸びている感覚を感じたら、その姿勢を30秒キープします。

横隔膜のストレッチ
座った状態で行います。
肋骨のいちばん下の際に指を当て、手の甲が太ももにつくように上半身を前に倒します。
肋骨の下に指が少し食い込んだ状態のまま、深呼吸を数回繰り返します。


胸椎の運動
仰向けに寝て行います。
肩甲骨の下あたりの高さに丸めたタオルや枕などを置き、背中をつけるようにして寝ます。
膝は90度に曲げて立ててください。
両手を天井に向けて伸ばして手を組み、息を大きく吐きながら腕を頭の上に向かって振り上げます。
振り上げた反動で腰が浮かないように注意しながら、胸椎を後ろに反らせていきます。


胸郭の運動
横向きに寝て行います。
上側の股関節と膝を90度に曲げ、下側の手で膝を押さえます。
上側の腕をまっすぐ前に伸ばし、頭の上を通るようにして上半身を大きくひねります。
伸ばした手の先を目で追うように首も大きくひねることで、胸椎や肋骨も一緒に大きく動きます。
最大まで開いたところで3回ほど深呼吸をし、元に戻します。
これを数回繰り返してください。


まとめ
呼吸が浅くなることで、身体はさまざまな不調を起こしやすくなります。
すでに身体のコリや痛み、その他諸々の不調を抱えていてなかなか改善できずにお悩みの場合でも、呼吸を改善していくことで状態が好転していく可能性があります。
マッサージに行ったり湿布を貼ったりしても変化がないと感じている方は、まずは呼吸を深くするためのセルフケアを試してみてください。
ただし、セルフケアを続けても症状に変化がない場合は、呼吸以外の部分にも原因が隠れているか、セルフケアだけでは深い呼吸を取り戻せないほどの不具合が起こっている可能性があります。
そのような場合は、治療を通して深い呼吸を身体に定着させていくのがおすすめです。
当院で行っている鍼治療や整体治療では、深い呼吸を取り戻すためのアプローチを非常に大切にしています。
さまざまな不調の施術を行っておりますが、呼吸の改善を組み合わせて進めることで、症状に対して単に施術を行うよりも圧倒的に状態が好転しやすく、施術効果も長続きしやすいと感じています。
ご自身で解決できずにお困りの方は、お気軽にご相談ください。
呼吸が浅い自覚がない方であっても、深い呼吸ができるようになると一気に症状が楽に感じられることがあります。
なかなか改善しない慢性的な症状には呼吸が関わっていることが非常に多いため、今回は詳しくお伝えさせていただきました。
どのようなケアをしても変化がなくお困りの方は、ぜひ一度ご自身の呼吸に目を向けてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。


コメント