要約
この記事では、肩に力が入ってしまう方が陥りやすい不調と原因、改善方法を解説しています。
肩に力が入ってしまう方は、呼吸の仕方や肩甲骨の安定感、精神的な要素を含めて、様々な原因が隠れています。
肩の力みによって肩こりや頭痛、食いしばり、腰痛など様々な症状に発展しやすくなります。
力みが起こる原因と改善の方法をご紹介します。
はじめに
皆さんこんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります、ひびきが丘鍼治療院の院長、境田です。
「日ごろから肩が上がってしまう自覚がある」
「何をするにも肩に力が入ってしまい肩こりがひどい」
「意識しても力が抜けずいつも疲れていると感じる」
このようなことはありませんか?
肩に無意識に力が入ってしまう方はとても多く、いろいろなお悩みを抱えて来院される患者さんの中でも、自覚のある方が非常に多いです。
他の整体などに行ったときに「力を抜いてください」と言われた経験がある方もいるのではないでしょうか。
この肩に力が入ってしまうという状態は、単純に肩の疲労感だけでなく、全身のお困りの症状に大きな影響を与えている可能性があります。
今回は、肩に力が入ってしまう理由と、力みが身体に起こす影響、解決のための方法をご紹介します。
肩が力んでいると起こる不調
まずは肩に力が入っている状態は何が困るのかを説明します。
全身の筋肉の疲れやすさ、こりや痛み
肩に力が入っている方は、呼吸が浅くなり、酸素を取り込める量が少なくなります。
そして、筋肉が酸欠状態になり肩こりはもちろん、全身の筋肉の疲れやすさ、張り感や痛みにつながりやすくなります。
頭痛
肩に力が入った状態が長期間続くと、首を通って頭に向かう血管が筋肉に圧迫されて血流が少なくなります。
そして、筋肉の緊張からくる重く、締め付けられるような頭痛が起こりやすくなります。
また、呼吸の浅さが自律神経の乱れに発展し、その影響で頭の中の血管が神経に触れて、ズキズキと激しい痛みを起こす偏頭痛を起こすこともあります。
食いしばり
肩の筋肉と首の筋肉、アゴの筋肉は連動して一緒に力が入ります。
肩が上がると、首の筋肉とアゴの筋肉が緊張して、日常的な食いしばりが起こりやすくなります。
また、肩が上がりやすくなるストレスの反応や、呼吸の浅さとも関連するため、肩が上がりやすい方は、一緒に食いしばりも起こしていることがとても多いです。
内臓の不調
自律神経の乱れや姿勢の悪化によるお腹の圧迫などによって、内臓の働きが悪くなります。
肺が大きく膨らまないことによる息苦しさや、胃もたれ、便秘や下痢など、消化器の不調も起こしやすくなります。
姿勢や動きの崩れによる全身の不調
肩に力が入っていると、肩甲骨が引き上がり、肩の関節の安定感がなくなります。
上半身の姿勢の崩れを補うために、腰や股関節、膝などを含めて、全身の姿勢の崩れや動きの悪さにつながります。
身体の負荷のたらい回しを受けた部分が最終的に痛くなったり、動かせなくなったりすることがあります。
例えば、肩が引きあがった状態で毎日料理をしていると、手や腕に力を過剰に入れないと包丁で切ったりフライパンを振ったりする動きがうまく出来なくなるので、結果的に手首の腱鞘炎になってしまうことがあります。
どこかに痛みがあり、治療に通っても改善しなかった方は、肩の力の入りすぎが原因になっている可能性もあります。
肩に力が入りやすい理由
力んだ状態という言葉を聞くと、首をすくめて肩を上げている状態をイメージすると思います。
それだけ肩に力が入ってしまう方が多く、良くないことだとはわかっていても、無意識的にそうなってしまう方がとても多いです。
肩の力みは身体の仕組み上の理由や、いろいろな要素が組み合わさって起こっています。
動物は首が弱点
動物は首が弱点で、人間も動物です。
何か身体に危険やストレスが迫ったときに、真っ先に本能的に弱点を守ろうとして、首の露出を減らすために肩に力が入ってしまうと言われています。
1人で暗い道を歩いている時、死角から突然驚かされると息が止まって肩がすくみ上がりますよね。
このように、肩に力が入ってしまうことは、ある意味動物として正常な反応なわけです。

肩の筋肉は脳と直結している
力を入れて肩を引き上げる時、メインで使う筋肉は僧帽筋という首から肩、背中にかけてついているとても大きな筋肉です。

筋肉に力を入れるときは、脳から神経を使って筋肉に力を入れるように命令が伝達されます。
手や足などにある筋肉は、背骨の中にある脊髄から枝分かれした神経を経由して命令が伝達されます。
しかし、この僧帽筋という筋肉は脳から出ている神経が直接筋肉につながっています。
そのため、僧帽筋は特別に脳がストレスを受けると、自動的に力が入りやすいようになっています。
会社で例えると、末端の筋肉は地方の支店の社員なのでいくつかの伝達経路(神経)をたどって命令が伝わりますが、僧帽筋は社長(脳)と一緒にいる本社の人だと思ってください。

肩に力が入りやすいのは仕組み上仕方がないことともいえます。
肩に力が入ってしまう方は、特にストレスに対して過敏に反応してしまっている状態ということです。
肩に力が入る原因
何もなく平和であれば、肩の力みは通常はそこまでひどくなりません。
では、なぜ力が入ってしまうのか、原因として特に多いものを紹介します。
心身のストレス
前述したように、脳がストレスを感じると肩に力が入ります。
精神的なストレスはもちろんですが、筋肉や内臓の疲労などの肉体的なストレス、寒暖差や気圧の変化など環境的なストレスも影響します。
このストレスに神経が過敏に反応してしまい、肩に力が入ります。
また、ストレスが大きくなると交感神経が活発になり、身体は常に戦闘モードになります。
呼吸が浅くなり、血管が収縮して、筋肉のこりや痛み、ストレスをさらに増強させることにもつながります。

呼吸が浅い
呼吸が浅くなると、なるべく空気を多く取り込むために肩の筋肉に力を入れて、肋骨や鎖骨を引き上げて息を吸おうとします。
つまり、呼吸が浅い状態は、肩に力を入れないと息が吸えない状態になってしまっています。
そして、その状態が自律神経の乱れや動きの不具合につながり、いろいろなところへ負担をかけるようになってしまいます。
肩を下げる筋肉に力が入らない
肩が上がっている状態とは、肩甲骨が肋骨から離れ、引き上がっている状態です。
肩甲骨を肋骨に押し付けるように安定させてくれている前鋸筋(ぜんきょきん)という筋肉があります。
この筋肉に力が入らなくなると、肩甲骨が浮き上がり、力の入りやすい僧帽筋に引っ張られて肩が上がった状態になります。

この状態が長期間続くと、僧帽筋に力を入れる頻度が多くなり、肩を上げる動きが癖のようになっていきます。
そして、必要ないときにも肩に力を入れて身体を動かすような状態になってしまいます。
肩の上がりを防ぐセルフケア
深い呼吸を身につける
横隔膜のストレッチ
肩が上がっている方は、深い呼吸に必要な横隔膜という部分の硬さが強いです。
まずは横隔膜を大きく動かして、深呼吸をしやすい状態をつくります。
肋骨の下の部分に指を当て、前に背中を丸めずにお辞儀をしながら指を食い込ませて深呼吸をします。
手の甲を自分の太ももに当てて、テコのようにして指を食い込ませると力まずに行いやすいです。


腹式呼吸
まずは息を完全に吐き切ります。
息を吐き切ったら、自然と入ってくる分の量だけ鼻から息を吸います。
この時に肩に力を入れて引き上げないように、全力で吸わないように注意してください。
息を吸いながらお腹が膨らみます。
息を軽く吸ったら、息を吐き切ります。
入った空気が自然と抜けていくように、お腹もゆっくりとしぼんでいきます。
息を吐く時も、腹筋に力を入れて絞り出すように息を吐くのではなく、あくまでもリラックスした状態で吐き切れる分を吐いてください。

肩を下げる運動
肩が引き上がらないように抑える前鋸筋の運動です。
腕立て伏せのような体勢で行いますが、うまくできない方は膝をつくか、立ち上がって壁に寄りかかる形で行ってください。
肘は伸ばし切ったまま床や壁を押していきます。
肩を上げずに下げた状態を意識しながら、肩甲骨を背骨に近づけるように胸を張ります。
肘を曲げないように注意しましょう。
床を押す時は、手をなるべく遠くに伸ばすイメージで行いましょう。
押し出すように目一杯押し込みます。


ストレスのケア
天候や他人が絡むことはコントロールするのが難しいかもしれませんが、ご自身の生活を少し変えるだけでもストレスのレベルを下げることができます。
時々ゆっくり湯船に浸かってみたり、睡眠が足りていない方は10分でもいいので睡眠時間を延ばしてみたり、1日趣味に没頭する時間を作ってみることもおすすめです。
まとめ
無意識的に肩に力が入ってしまう反応は、人間の仕組み的にある程度は起こりやすいことです。
しかし、常に力が入ってしまっている方は、身体の防御反応が過剰に働いている可能性があります。
ストレスが多い環境にさらされていたり、周りの方よりも何事にも真面目に一生懸命に取り組んでしまう方なのかもしれませんね。
そして、肩の力の入りすぎが、他のお悩みにつながったり、改善を妨げているかもしれません。
心当たりがある方は、少しでも肩の力を抜ける時間を作れるようにケアをしてみてください。
- 何をやっても力が抜けない
- 今の悩みは力が抜けないことも関係があるかもしれないと感じる
- 調子が悪すぎてそれどころではない
こういった方は、早めに治療を受けてみてください。
こういった症状は、力を抜いて治療を受けられる環境や治療内容が大切です。
当院では、リラックスできる広いスペースで力を抜いて受けられる低刺激の治療を行います。
なかなか力が抜けずにお困りの方は、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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