この記事では、なぜ軽い動きでぎっくり腰を起こしてしまうのかを解説しています。
ちょっとした動きでぎっくり腰を起こしてしまう理由は、筋肉の力の入れ方にエラーが起きているからです。
軽い動きであっても、筋肉や腱の伸び縮みのコントロールがうまくできず、力が入りすぎて傷ついてしまっている可能性があります。
今回は、エラーが起きる理由と解決方法をご紹介していきます。
はじめに
みなさん、こんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります、ひびきが丘鍼治療院の院長、境田です。
「軽くかがんだだけなのに、ぎっくり腰が起こってしまった」
「いつもぎっくり腰を起こすときは、たいした力を入れていないのに痛めてしまう」
みなさんは、ぎっくり腰を起こしたとき、このような経験はありませんか?
強い力をかけたときに怪我をしてしまうのは、想像しやすいものです。
しかし、落としたものを拾おうとかがんだだけ、前に軽く手を伸ばしただけ、あるいはくしゃみをしただけなど、たいした力を入れていないのに突然強い痛みが走り、焦って来院される方がとても多くいらっしゃいます。
ご自分でも思いがけないことでびっくりされますよね。
こういった痛め方をする方は、何度もぎっくり腰を繰り返していたり、普段から身体の使い方のエラーが起きていたりするケースが非常に多いです。
「次にいつ痛めてしまうのだろう」と不安でたまらなくなるお気持ちは、よくわかります。
今回は、軽い動きなのにぎっくり腰を起こしてしまう理由と、それを繰り返さないための解決策を分かりやすく解説していきます。
なぜ軽い動きで痛めてしまうのか
結論からお伝えすると、脳から身体へ「動かしなさい」という命令が出て、実際に筋肉へ力を入れて動かすまでの過程で、エラーが起きている可能性が高いです。
身体を動かすときは、まず脳から命令が出され、神経を伝って筋肉を動かすという流れになります。
このときに命令が正しく伝わらないと、筋肉に無駄な力が入ってしまい、身体の動きが対応できずに傷ついてしまうわけです。
脳からは「30%くらいの力でいいよ」と命令が出ているのに、筋肉がうっかり100%の力を出してしまうイメージになります。
関節のほうも、それほどの力が出るとは思わずに動いているため、力のギャップに耐えきれず、痛めてしまうことがあります。
これは、筋肉の中にある神経の反応が誤作動を起こしている状態です。
筋肉の力をコントロールする仕組み
身体を動かすための筋肉は必ず骨から関節をまたいで、別の骨へとつながっています。
そして筋肉の端は「腱(けん)」という組織になっています。
筋肉と腱には、それぞれ「筋紡錘(きんぼうすい)」と「腱紡錘(けんぼうすい)」というセンサーのような神経が入っています。
これらは筋肉や腱が伸び縮みする引っ張り具合を感知して、切れてしまわないようにコントロールする安全装置のような役割を果たしています。
難しいことは抜きにして、「筋肉と腱には安全装置がついている」と考えれば大丈夫です。
筋肉の中にあるセンサーは、突然筋肉が引っ張られたとき、「このままでは筋肉が切れてしまう」と判断し、筋肉に力を入れて伸ばされすぎるのを防ぎます。
急に手を引っ張られたときに、倒れないように引っ張り返す反応と同じ働きです。

一方、腱の中にあるセンサーは、筋肉が急激に縮んだり、無理な負担が一気にかかったりしたとき、「このままでは筋肉や腱が切れる」と判断し、反射的に力をゆるめて身体を守ろうとします。
とても重いものを一気に持ち上げようとしたとき、身体からガクッと力が抜けてしまう現象がこれに当たります。

ぎっくり腰は安全装置のエラー
軽い動きでぎっくり腰が起こってしまうときは、この筋紡錘と腱紡錘の伸び縮みをコントロールする仕組みがエラーを起こし、事故が起こってしまっている状態です。
本部(脳)からの命令は正しく出されていても、現場の作業員(神経や筋肉)がうまく動けず、事故を起こしてしまうようなイメージになります。
何気なくかがんだ時に、筋肉が間違って「危ない!」と反応して、突然腰の筋肉で抵抗してしまって痛めたり、起き上がるときに脚やお尻の筋肉が力が入らなくなって、結果的に腰に大きな負担がかかってしまって痛みにつながります。

こういった現象は、突然起こるわけではありません。
日頃から事故が起きやすい身体の状態になっており、朝起きてすぐのタイミングや突然の動きなどで、身体のコントロールが鈍っているときに起こりやすくなります。
ぎっくり腰が朝に起きやすいのはそのためです。
動きのエラーはなぜ起こるのか
こうした状態を起こしてしまう方は、日頃から慢性的な痛みをがまんしたり、痛む部分をかばいながら生活していたりすることが多いです。
また、筋肉を大きく動かす習慣があまりない方は、神経の反応も間違えを起こしやすくなります。
あるいは、過去に痛めた部分がしっかり治りきる前に休むことができず、無理をして身体を動かすしかなかったという背景があります。
負担の少ない前かがみのやり方や、楽な起き上がり方など、日常生活のちょっとした動作を身体に負担なくおこなう方法は、だれも教えてくれません。
怪我をした部分も痛みが消えれば、一般的には「治った」と判断されてしまうのも仕方がないことです。

しかし、動きのエラーはだれも教えてくれないような細かい身体の動かし方や、痛みが取れたその先にこそ隠れていることがほとんどです。
そして身体は、正しいか正しくないかは別として、「いつもやっている動き」をどんどんやりやすいように学習していきます。
その動き方をしている期間が長くなればなるほど、ほかの身体の使い方ができなくなり、無意識のうちに癖から抜け出せなくなってしまうのです。
痛みを繰り返さないために
痛みを繰り返さないためには、正しい身体の動かし方を身につけつつ、筋肉の伸び縮みが正しくおこなわれるように整えていく必要があります。
普段から身体を動かす習慣がない方は、適度な運動を始めるだけでも一定の効果は期待できるかもしれません。
しかし、間違った動きのまま運動をしてしまうと、それが新しい怪我につながったり、効率が悪かったりすることも少なくありません。
安全に効率よく、痛みを繰り返さない身体を作っていくには、専門的な治療を受けてみることをおすすめします。
当院でも、繰り返してしまうぎっくり腰の治療として、鍼治療と整体治療を組み合わせておこなっています。
ただ筋肉を柔らかくしていくだけではなく、全身の連動や身体を正しく動かせているかを確認しながら施術を進めていきます。
負担が少ない状態で動かせるよう、筋肉や関節の機能を回復させ、痛みを繰り返さない身体づくりをお手伝いいたします。
無理な運動を強いたり、ボキボキと音を鳴らすような治療はおこないませんので、ご安心ください。
「いつ痛めてしまうかわからない」という不安を抱えながら、これまで本当にがんばって生活してこられたことと思います。
本来、ぎっくり腰は何度も繰り返すものではありません。
原因を知り、適切に改善していくことで、痛みを気にすることなく快適な日常生活を送れるようになっていきます。
「動くのがいつも怖い」「繰り返す痛みにうんざりしている」
という方は、どうぞお気軽にご相談ください。一緒に不安のない、スムーズに動き回れる身体を取り戻しましょう。


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