要約
この記事では、腕を上げる機会が多い方向けの、揉みほぐしで肩こりが解決しない原因と、根本的な解決の方法を解説しています。
結論から言うと、腕を支える肩甲骨周りの筋肉に力が入り、安定した状態をつくることが肩こりの解決には重要です。
揉みほぐしで筋肉を柔らかくするだけだと、力の入りは変化しないので、一時的な緩和にとどまってしまいます。
肩に負担が集中する仕組みと、解決につなげる方法を解説します。
はじめに
皆さんこんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります、ひびきが丘鍼治療院の院長、境田です。
「腕を上げて作業を続けていると肩が張ってくる」
「運転をしていると肩が重だるくて腕を下ろしたくなる」
このようなお悩みはありませんか?
肩こりにお悩みの方はとても多いですが、腕を上げている間に症状が強くなり、重だるさに悩む方がいらっしゃいます。
高所の棚に手を伸ばして作業を続けたり、洗濯物を干したり、頭を乾かしたり、車の運転やデスクワークなど腕を上げ続けている場面は、生活の中で意外と多いです。
どうしてもやらなければいけないことなのに、毎回肩のつらさがつきまとうと、いろいろ作業をするのが億劫になってきますよね。
こういった腕を上げている時間が長くなると、肩こりがひどくなる方は、腕の重さを支えきれていない可能性があります。
今回は腕を上げ続けていて、肩こりがひどくなる理由と解決するための方法をご紹介します。
腕を上げ続けると肩こりが悪化する理由
肩こりの症状の多くは、肩の上の部分にある僧帽筋(そうぼうきん)と言う筋肉や肩甲骨を持ち上げるために力が入る肩甲挙筋(けんこうきょきん)と言う筋肉にこりや痛みを抱えることが多いです。

筋肉が収縮しっぱなしの時間が長くなり、血流不足を起こし、酸欠状態になることで痛みを感じる物質が筋肉に停滞して痛みや疲労感、重だるさを感じるようになってしまいます。
僧帽筋や肩甲挙筋は、肩を頭の方向に引き上げる筋肉ではありますが、実は腕を上げるためにメインで働く筋肉ではありません。
腕を上げる筋肉がうまく働かない代わりに、肩を引き上げる筋肉が頑張りすぎている状態になります。
こういった方は、写真のように、腕が上がるのと同時に肩が大きく引き上がっている可能性が高いです。


肩に力が入ってしまう原因
では、なぜ腕を上げたいはずなのに、肩に力が入ってしまうのでしょうか?
その原因は、背中や肩甲骨を安定させるための筋肉にうまく力が入っていない可能性があります。
本来の腕の動き
本来、腕を上げていくときには、肩甲骨は外に開きながら持ち上がり、背中の背骨(胸椎)は、そらされるように動くようになっています。
このような動きができると肩を引き上げる筋肉に力を入れすぎなくても、腕を支えながら高い位置まで上げることができるようになります。

肩甲骨が浮いてしまう
この肩甲骨の動きは、身体幹に張り付くように固定されていないと、肩甲骨が身体から浮き上がってしまい重さを支えることができません。
肩甲骨を浮き上がらないように固定しながら安定させている筋肉は前鋸筋(ぜんきょきん)と言う筋肉です。

腕の重さや手に持ったものの重さで肩甲骨が浮き上がってしまうのを抑える役割もあります。
この筋肉に、力が入らなくなると、肩甲骨が浮き上がってしまい、安定しない肩甲骨をかばって、僧帽筋や肩甲挙筋に力が入りすぎることになり、肩こりの悪化につながります。
肩甲骨が浮いてしまう原因
では、なぜ前鋸筋に力が入らなくなるのか、それにはいくつかの原因があります。
筋肉のバランス
日常生活ではどうしても身体の前側で作業をすることが多くなるため、胸の筋肉や腕の内側の筋肉など上半身を丸める方向に引っ張る筋肉を使いすぎてしまいます。
肩甲骨を引き込む筋肉や抑える筋肉を使う機会はどうしても少なくなるため、日常的に使う筋肉ばかりに力が入りやすくなり、徐々に肩甲骨を抑える力がなくなっていきます。
関節の動きに問題がある
腕を上げるときには、背中の背骨(胸椎)や、肩甲骨、鎖骨、肋骨など、いろいろな骨とそれをつなぐ関節が同時に動きます。
この中のどこかに問題があって、動きが悪くなると、それをかばうために優先的に肩を引き上げる動きが入ってしまいます。
ケガでもしない限りは少し関節の動きが悪くなったくらいではすぐに痛みなどを感じる事は少ないです。
既に腕を上げていて、肩こりがつらくなっている方は、長い間どこかの関節の動きが悪くなってしまっていた可能性があります。
過去の怪我の影響
以前、スポーツで肩を痛めた経験があったり、四十肩などで腕が上がらなくなったことがある方は、その時に肩甲骨を支える筋肉に力が入らなくなってしまった可能性があります。
しっかりと医療機関等でのリハビリを通して完治していれば問題ないこともありますが、多くの方は関節がある程度動くようになったり、痛みが引いた段階で「治った」と判断して、筋力に関しては無視されてしまうことも少なくありません。
ある程度関節が動くようになり、痛みは引いたけど、筋力だけは戻っていなかったと言う方は、その時から肩甲骨が浮き上がった腕の上げ方をするようになってしまった可能性があります。
以上のような原因で肩甲骨が浮き上がってしまい、肩を引き上げないと腕が上げられない状態で長期間生活を続けてしまうと、徐々に肩の筋肉に疲労が蓄積され、肩こりの症状が強くなり、そういった動かし方しかできないような状態になってしまいます。
揉みほぐすだけでは解決できないのか?
慢性的に肩こりがあり、腕を上げていて悪化する症状であれば、根本的な解決は難しい可能性があります。
筋肉の血流を良くして、疲労感を一時的に軽減する効果はあるかもしれませんが、揉みほぐすだけでは全体的な筋肉のバランスや、関節の動き、力の入り方を変えていくことは難しいです。
一時的な癒しを求めるなら揉みほぐしやマッサージを受けられると良いと思いますが。
長期的に腕を上げても肩がつらくならない状態を目指すのであれば、別のアプローチが必要になってきます。
肩甲骨を安定させるための運動
肩甲骨を安定させるための筋肉を使えるようにする運動をご紹介します。
背中の運動
うつ伏せの状態で行います。
腕は外に向けてひねり、なるべく大きく開きます。
息を吐きながら胸を開いていくようにして、肩甲骨を背骨に向かって寄せつけていきます。
この時に上半身が持ち上がりすぎて腰に力が入らないように注意をしてください。
胸を張った影響で少し顔が浮き上がる程度で構いません。
肩甲骨と背骨の間に力が入っている感覚が分かれば大丈夫です。
呼吸に合わせて5~10回ほど行ってください。


壁押し(横)
肘を伸ばした状態で、片手を壁について行います。
壁に向かって体重をかけていき肩甲骨を背骨に近づけます。
その状態から体重をかけたまま壁を押して、肩甲骨をできるだけ背骨から遠ざけるように力を入れます。
常に肘は曲げないことと、肩をすくめないことを注意しながら行ってください。


壁押し(前)
基本的なやり方は、壁押し(横)と同じです。
腕を前に伸ばした状態で行います。
横で行うよりも、肩が上がりやすいので注意しながら行ってください。


壁押し(上)
身体と壁の距離を遠くして、身体幹が斜めになった状態で行います。
決まった角度で行うより、横や前、斜めなど、いろいろな角度で行うことで実際の生活でも肩が上がりにくくなり、実用的な運動になります。


まとめ
日常生活をしていると腕を上げなければいけないタイミングはとても多いです。
その中で肩こりが強くなってしまう方は、腕の重さを支えることができなくなっている可能性があります。
今回ご紹介した運動を1つでもいいので取り入れてみて、肩が楽に感じる方は継続してみてください。
軽度の肩こりであれば、それだけでも楽になる可能性があります。
しかし、長年肩が引き上がった状態で身体を使ってきた方にとって、筋肉のバランスやどこの関節の動きが悪いかなどを把握して、自力で改善していくのは現実的には非常に難しいものです。
もっと細かい部分まで話すと、背骨の動きや足も含めた重心の動かし方、全身の筋肉の連動など、全身に原因が隠れている場合もあります。
- 最近つらくなったわけではなく、肩こりとは長い付き合いだ
- 場面に関係なく常に肩こりを感じている
- 上記の運動をやってみたが、どうしても肩が上がってしまいうまくできない
こういった方は、我慢をする前に治療を受けてみてください。
当院では、鍼治療と整体治療を組み合わせて、日常生活で正しい身体の使い方ができるようにアプローチをしていきます。
ただ、身体を柔らかくしただけでは楽になりにくい症状なので、身体を動かしやすい状態を作った後に身体の安定感を高める施術を行っていきます。
日常生活で肩に負担をかけないように、身体の状態に合わせて正しい腕の上げ方もお伝えします。
なかなか良くならない肩こりのよくあるパターンなのでご紹介しました。
肩こりは慢性的に抱え続けてしまう方が多い症状ですが、一生付き合っていくようなものではありません。
なかなか解決できずにお困りの方はお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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