この記事では、妊娠や出産のあとに腰痛が悪化するのはなぜなのか?
その原因と、身体を守る動き方を詳しく解説しています。
妊娠や出産のあとに腰が痛くなるのは、筋肉や関節にかかる負担が大きくなり、育児の疲労なども重なるためです。 お腹が大きくなることによる変化や、骨盤を支える筋肉に力が入りにくくなることに加えて、育児による身体的・精神的な負担が追い打ちとなってつらい症状につながります。
今回は、産前や産後にお身体へかかる負担と、毎日を少しでも楽に過ごすためのポイントをお伝えしていきます。
はじめに
皆さん、こんにちは。
山梨県甲斐市龍地にあります「ひびきが丘鍼治療院」院長の境田です。
「妊娠中から腰が痛くて、生まれてからも抱っこをするのがつらい」
「出産してから腰痛が悪化して、以前のように動けない」
このようなお悩みはありませんか。
妊娠中の方から、お子さんが大きくなった方まで、出産にともなう腰痛でお悩みの患者さんが多く来院されています。
中でも、出産や育児をきっかけに腰痛が続いてしまい、そのまま何年も我慢したまま…という方も少なくありません。
妊娠中、産後は腰痛が起こりやすい時期ですが、その理由を知って負担を減らすことで、つらい腰痛を和らげていくことができます。
今回は、腰痛が産後に悪化しやすい理由と、腰を守る身体の使い方をお伝えします。
なぜ妊娠・出産で腰痛が悪化するのか?
妊娠や出産はとてもおめでたく、嬉しい出来事ですね。
しかし同時に、腰痛を感じるようになる方も多くいらっしゃいます。
ある国内の医療機関の調査では、妊娠や出産をきっかけに腰痛を感じた方は、全体の約65パーセントだったそうです。
中には、妊娠初期の段階から痛みを実感し始める方もいらっしゃいます。
妊娠中や出産後に腰痛が起きる主な理由は、以下の5つです。
ホルモンバランスの変化
妊娠初期からホルモンバランスが変化し、出産に備えて骨盤を支える靭帯が柔らかくなっていきます。
期間には個人差がありますが、出産後半年から1年ほどこの状態は続くと言われています。
出産に必要な体の仕組みですが、不安定になった骨盤を支えなければならないため、周りの関節や筋肉への負担が大きくなってしまいます。
体重の増加
お腹の中でお子さんが大きくなるにつれて、体重が増加します。
また妊娠中は、ホルモンの影響で皮下脂肪が増えやすくなったり、浮腫が起こりやすくなったりします。
こうした変化も相まって、体重が増えやすくなります。
筋力の低下
妊娠中は激しい運動を行うことができません。
どうしても仕方がないことです。
つわりなどの体調不良も重なり、今までと同じように動く機会が減ってしまいます。
その結果、骨盤や背骨、関節を支えるための筋力も衰えてしまいます。
重心の変化(反り腰)
お腹が大きくなると重心が前側に移動するため、バランスをとろうとして腰が大きく反る姿勢になります。
腰が反ると、腰の骨の後ろ側にある関節が圧迫されたり、腰の周辺にある筋肉が縮んで固まったりするため、腰に負担がかかって」痛みを感じやすくなります。

育児による負担
骨盤の関節が緩み、筋力も落ちた状態で、突然いそがしい育児がスタートします。
長時間の抱っこや慣れない姿勢での授乳、思うように睡眠や食事がとれなくなったりなど、心身ともに大きな負担がかかります。
身体が一番デリケートになっている時期に多忙を極めるため、本当に大変な時期だと思います。
産後の骨盤矯正は必要なのか?
「産後に骨盤矯正をしなかったからかな?」と、後悔していらっしゃる方もいらっしゃいます。
世間では産後の骨盤矯正という言葉をよく耳にするため、施術を受けたほうがよかったのかと不安になりますよね。 ですが、ご安心ください。
産後に特別な骨盤矯正を必ず行う必要はないと考えています。

妊娠中は骨盤を支える靭帯が柔らかくなり、腰が反るなどの姿勢の変化が起こりますが、基本的には産後半年から1年ほどで自然と元の状態へ戻っていきます。
骨盤の角度が変わったり非対称な力がかかったりはしますが、骨盤自体が大きくねじれたり曲がったりすることはありません。
そのままにしておいたからといって、骨盤の歪みが戻らなくなったり、太りやすくなったりすることもありません。
この時期から腰痛を引きずってしまうのは、骨盤が歪んでいるからではなく、妊娠中に身体を上手く動かせなくなったまま育児の負担に耐え切れず、腰へ負担がかかり続けているからです。
そのため、筋肉のアンバランスさを整え、育児で負担を受けにくい身体の動かし方を身につけていくことが大切になります。
時期を逃したから手遅れなんてことはありません。
育児の負担を減らす身体の使い方
大変いそがしい毎日の中で、新しいセルフケアや運動を始めるのは簡単なことではありません。
そこでまずは、毎日の生活の中で無理なくできる、楽な身体の動かし方を知っていきましょう。
負担を完全にゼロにするのは難しくても、日々の動作で受けるダメージを減らす工夫が大切です。
育児でよく行う動作のコツをご紹介します。

抱っこは左右交互に入れ替える
お子さんの頭をのせる位置など、人によって抱っこしやすい向きがあるかと思います。
毎回でなくても構いませんので、意識的に左右の腕を交代させて、かかる負担を分散させてみてください。
脇を締めて抱っこする
脇が開いてしまうと、腕の筋肉だけでお子さんを支えることになります。
その重さを支えようとして腰の筋肉に負担がかかるため、脇を締めて身体全体で重さを支えるようにしてみましょう。
足を前後に開いて立つ
腰は、前後の揺れや負担を受けると痛みにつながりやすい傾向があります。
足を左右に開くよりも前後に開いて立つほうが、前後にかかる力を支えやすくなり、腰を守ることができます。
抱っこで寝かしつけるときや、料理・掃除などの家事を行う際にも、足を前後に開く立ち方を試してみてください。
かがむときは股関節から曲げる
前にかがんだりしゃがんだりするときに腰や頭から丸めてしまうと、腰の筋肉や骨盤の周りに強い負担がかかります。
背骨はなるべく丸めず、股関節を曲げてお尻を後ろへ引くようにお辞儀をするイメージでかがんでみましょう。
腰ではなく、太ももやお尻の大きな筋肉で身体を支えやすくなります。
できるだけ身体の近くで作業をする
腕を遠くへ伸ばすほど、身体にかかる負担は数倍に膨らんでしまいます。
家事はもちろん、おむつ替えやお風呂のときなども、できるだけご自身の身体に引き寄せた状態で作業を行いましょう。
まとめ
妊娠中や出産後に腰痛が悪化してしまうのは、ホルモンバランスをはじめとした身体の変化によるものです。
どうしても避けることができない変化ですので、一時的に身体がデリケートになってしまうのは仕方のないことかもしれません。
そのような状態の中で、いそがしい毎日を過ごすのは本当に大変なことです。
無理にやることを増やすよりも、日常生活の中で少しずつダメージを減らしていく工夫を取り入れていきましょう。
本来、妊娠中や出産後に悪化する腰痛は、いつまでも続くものではなく、しっかりと改善していけるものです。
ですが、身体が楽になるまでの間、痛みを我慢し続けるのはつらいですよね。
痛みを少しでも和らげたい方や、腰痛を長引かせたくない方、すでに長く続いて困っている方は、安心して育児を続けられるように、専門的な治療を取り入れてみることをおすすめします。
当院では、無理な骨盤矯正などは行わず、妊娠中や出産後の腰痛に対して鍼治療や整体治療を組み合わせて施術を行っています。
妊娠中や産後は避けるべき治療や体勢がありますが、安全を第一に考慮しながら進めていきますので、ご安心下さい。
身体に強い負担をかけない優しい施術ですので、安心してお越しください。
早い段階で痛みを解決し、大変な育児を楽しみながら乗り越えているお母さん方をこれまでたくさん見てきました。 今しか味わえないお子様との大切な時間を、痛みに悩まされた思い出にするのではなく、楽しい思い出にしていただきたいと願っています。
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