皆さんこんにちは。
ひびきが丘鍼治療の院長、境田です。
最近暖かい日が増えてきて、運動してみようかなとウォーキングをしてみたり、少し足を延ばしてお出かけしたりといった方が増えてきています。
当院の前も、朝お散歩をしている方が少し増えたかなと感じています。
せっかくのお出かけやウォーキングのあと、膝の外側に「ピリッ」とした痛みや違和感を覚えることはありませんか?
「ただの疲れかな?」と放っておくと、階段の上り下りさえ辛くなることもあります。
そこで今回は、歩き疲れからくる膝の外側の痛みについて、その仕組みと解決策を詳しく解説します。
膝の構造
膝関節は太もも、すね、お皿の骨からなる関節です。その膝の外側を強力に支えているのが、大腿筋膜張筋という筋肉と、腸脛靭帯という靭帯です。
- 大腿筋膜張筋
骨盤の外側にある小さな筋肉です。ももの外側を通って膝まで伸びていきます。 - 腸脛靭帯
大腿筋膜張筋から続き、途中からこの腸脛靱帯に代わり太ももの外側を通って膝のすぐ下まで伸びる太い帯状の組織です。
これらは、脚全体を外側から補強する外壁のような役割を担っています。
歩いた時に膝にかかる負荷
歩くときには、、片足が地面につくたびに体重の数倍の衝撃を受けます。このとき、重力によって体は外側へ倒れ込もうとする力が働きます。
これを倒れないように支えているのが、お尻の筋肉や太ももの外側の筋肉です。
特に腸脛靭帯が「外側の壁」として機能することで、骨格が崩れるのを防ぎ、安定した歩行を可能にしています。
つまり、歩けば歩くほど、この外側の壁には常にピンと張ったストレスがかかり続けることになります。
膝の外側の痛みの仕組み
歩く動作が長時間続くと、大腿筋膜張筋の緊張がピークに達します。すると、そこに繋がる腸脛靭帯も綱引きのように強く引っ張られます。
- 摩擦の発生
パンパンに張った腸脛靭帯が、膝の外側にある骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)と歩くたびにゴリゴリと擦れます。 - 炎症の発生
この繰り返しの摩擦や、靭帯の付着部が強く引っ張られることで炎症が起こります。
これを専門的には「腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)」、別名ランナー膝と呼びます。歩き疲れによる膝の外側の痛みの多くは、こういった仕組みによるものです。
痛みが出てしまう3つの要因
なぜ同じ距離を歩いても、痛みが出る人と出ない人がいるのでしょう?
それには以下の要因が関係しています。
- 筋肉の硬さ
太ももの外側が慢性的に硬いと、歩き出した瞬間から膝には大きな負荷がかかっています。また、膝だけでなく腰や脇腹など、体の側面全体の緊張が、結果として腸脛靭帯を上から強く引き揚げてしまい、膝の摩擦を強めているケースも多いです。 - 関節の動きの偏り
膝は本来曲げ伸ばしという動きが得意な関節ですが、股関節や足首が硬いと、膝にねじれのストレスが加わります。動きに制限がある分をももの外側で補おうとするため、特定の場所に負荷が集中してしまいます。 - 骨格的な問題(O脚など)
いわゆる「O脚」の状態は、常に腸脛靭帯が引き伸ばされている状態です。最初からゴムを限界まで伸ばして歩いているようなものなので、通常よりも早く摩擦が起こってしまい、痛みにつながりやすくなります。
痛みが発生する原因
さらに深く掘り下げると、体の使い方の問題が見えてきます。
- 筋肉のバランスの崩れ
ももの内側と外側の筋肉の張りのバランス、股関節の前後の筋力差などが極端になってしまっていると、結果的に歩いて体重がかかったときにももの外側に頼って身体を支えてしまうことになります。 - お尻の筋肉に力が入っていない
本来、歩行時の骨盤を支える主役はお尻の筋肉(中殿筋)です。
しかし、座りっぱなしの生活などでこの筋肉がうまく使えなくなると、骨盤が外側に流れてしまいます。
それを崩れないよう止めるために腸脛靭帯がピンと張って無理をして支えることになりますが、そこだけで体重を長時間支えられるほど強くないので痛みに発展します。 - 日常的なクセ
ガニ股歩き、腕を振らない歩き方、常に片足に重心を置いて立つ「休め」の姿勢など。
こうした無意識のクセが、ある時に長時間歩くという負荷が加わったタイミングで、痛みとなって現れます。
膝の痛みの解決方法
痛みを繰り返さないためには、膝そのものだけでなく、体全体の調整が必要です。
- 筋肉のバランス改善
膝の外側を緩めるのはもちろん、繋がりのある股関節や足の外側、さらには全身の緊張を整えます。
硬いところを緩めると同時に、使えていない筋肉を使えるようにすることで、外側への負担を分散させます。 - 全身の動きの改善(連動性)
歩く時の負荷を分散させるためには、関節も適切に動く必要があります。
例えば、股関節が後ろに引けない、開きっぱなし、背中の背骨(胸椎)がうまく動かず腕が振れていないなどの動きの悪さや、動かそうとすれば出来るが無意識的に常にがに股姿勢など、動き方の偏りを治していくことで膝への負荷の集中を防ぐことができます。 - 適度な運動を心掛ける
普段あまり歩かない生活から、突然普段の数倍の歩数を歩いたり、急にジョギングを始めたりなど、急激な負荷の増加は痛みを起こす引き金になるので、日常的に痛みの出ない程度で適度に歩いたり、筋肉や関節を動かしておくことである程度の負荷の増加には対応できるようにしておくことも重要です。
車生活やデスクワークで歩かないのにたまの外出で痛む場合は、毎日少しづつ歩数を増やしたりして動かすことで痛みが出にくくなることも多いです。
歩き疲れの痛みは、「体の使い方のバランスが崩れているよ」という体からのサインです。
全身の緊張のバランスや使い方を改善することで、徐々に歩き続けたり、走り続けたりが出来るようになっていきます。
しかし、自身の身体の使い方のクセや、骨格からの影響を受けていて痛みが出ている場合は自力で改善していくことは難しくなってくることが多いので、治療を受けることをお勧めします。
当院では、運動時の膝の痛みの治療を行っています。
全身の緊張のバランスや膝に悪影響を与えている日常的なクセを鍼治療や整体治療でアプローチして、快適な運動やお出かけのお手伝いをします。
鍼治療は膝とつながる全身の張りのバランスの調整に有効で、その場で関節の動きやすさや軽さがわかります。
筋肉の力の入りの悪さや動かし方のクセの改善には整体治療が有効で、片足に体重を乗せた時の支えやすさや安定感をその場で感じられることが多いです。
膝の外側の痛みは常に痛いわけではないことが多いのでそのうち落ち着くだろうと放置しがちですが、せっかくやる気を出してやった運動や、楽しみにしていた遠出などが痛みのせいで楽しめないのはつらいことだと思います。たとえO脚だったとしても諦めることはありません。O脚でも快適に歩き回れるようになった方もたくさんいらっしゃいますので、ご安心いただけたらと思います。
山梨県甲斐市龍地3669-1
ひびきが丘鍼治療院
院長 境田涼平


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