みなさんこんにちは。ひびきが丘鍼治療院の院長、境田です。
治療をしていると、女性の患者さんから、「実は毎月生理痛がひどくて…」と相談されることがあります。
中にはピークの時には「痛すぎて仕事が手につかない」「わかっているけどイライラしてしまう」などと苦しんでいた方もいます。
毎月の月経痛(生理痛)は、多くの女性にとって仕方のないものと諦めてしまいがちですが、東洋医学や身体の仕組みから見れば、その痛みを和らげる方法はたくさんあります。
そこで今回は、鍼灸師の視点から、つらい月経痛の改善方法について詳しく解説します。
月経痛はなぜ痛いのか
月経痛の主な原因は、子宮を収縮させて経血を押し出す働きをする「プロスタグランジン」という物質です。
この物質の分泌が多いと子宮の収縮が強くなり、キリキリとした痛みを感じます。
しかし、それだけではありません。
周囲の血管が収縮して血行が悪くなると、痛みを感じる物質が骨盤内に滞り、さらに痛みを感じやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。
骨盤の血流量で決まる
月経痛の強さを左右する大きな要因は、「骨盤内の血流量」です。 骨盤の中には子宮や卵巣といった大切な臓器が収まっていますが、ここへの血流がスムーズであれば、痛みの物質もスムーズに流れ去り、過度な収縮も抑えられます。
逆に、デスクワークや運動不足、冷えなどで骨盤周りの血流が悪いと、重だるい痛みや鋭い痛みとして現れやすくなります。
「骨盤矯正」の誤解 骨は物理的にはズレない
ここで一つ、よくある誤解を説明します。巷でよく耳にする「骨盤矯正」ですが、実は「骨盤の骨が数センチ単位でズレる」という考え方に科学的な根拠はありません。
骨盤の中央にある関節は、人体で最も強力な靭帯によってガッチリと固定されています。医学的な研究によれば、この関節はわずか1〜4mm、角度は1〜3度程度、ほんの少しだけ動きますが、物理的に数センチ単位で「ズレる」ことは、交通事故のような大きな外力が加わらない限りまず起こりません。
- 「歪み」の正体は筋肉のバランスと動きのクセ
鏡を見て「腰の高さが違う」と感じるのは、骨自体が曲がっているのではなく、周囲の筋肉が前後左右、非対称に引っ張っている結果です。
常に筋肉の緊張感の差があるまま生活すると、次第に関節も動きやすい方、楽な動き方というのが決まってきていわゆる「クセ」や「歪み」になります。 - 矯正ではなく「機能の回復」が大切
大切なのは、「骨盤周りの血流を正常にすること」です。
バキバキと音を鳴らして骨を動かそうとするよりも、筋肉の緊張を解き、自律神経を整えて、動きのクセを正していき、結果的に骨盤の位置が正しく戻る方が月経痛の改善には合理的で効果的です。
自律神経との関係
血流をコントロールしているのは、自律神経です。
ストレスが多い生活や不規則な生活リズムで自律神経が乱れると、交感神経が興奮して血管が収縮したままになり、骨盤内が「酸欠・栄養不足」の状態になります。これが月経痛を増幅させる原因です。
痛みの軽減方法(セルフケア)
ご自宅でできる、血流と自律神経を整えるための具体的なケアをご紹介します。
ツボのセルフケア(三陰交・太衝)
指でじわーっと心地よい強さで10~20秒ほど押してみてください。
・三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの中心から指4本分上。
女性特有の症状に欠かせない「婦人科疾患の特効穴」です。

・太衝(たいしょう)
足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。
ストレスによる自律神経の乱れ、呼吸の調整に効果的です。

自律神経の調整(背骨の動きと呼吸)
- 背骨のストレッチ
猫のように背中を丸めたり、反らしたりする動きをゆっくり行いましょう。
自律神経は背骨に沿って通っているので、背骨の動きをよくすると自律神経が安定しやすくなります。 - 仰向けでバンザイ+腹式呼吸
鼻から吸って、口から「細く長く」吐き出します。吐く時間を長くすることで副交感神経が優位になり、骨盤周りの緊張が解けます。
さらに腕を上げることで、胸が広がってさらに呼吸が深くなります。
腰が痛い方は膝を曲げると良いです。
内ももの血流を改善
座った状態で両足の裏を合わせ、膝を上下に揺らしたり、内ももを痛気持ちいいくらいの強さでさすったりしましょう。内ももが柔らかくなると、骨盤からの血流が通るイメージです。
改善しなければ治療がおすすめ
セルフケアを続けても痛みが引かない、毎月鎮痛剤が手放せないという方は、専門的な治療がおすすめです。
当院では、つらい月経痛の治療を行うことができます。
鍼治療で痛みの緩和と自律神経の調整を行い、整体治療で骨盤内の血流を改善できるように動きのくせやバランスの崩れを調整します。
症状が出る数日前からの準備
ピーク時からの痛みの軽減も可能ですが、月経が始まってからではなく、始まる数日前から鍼治療で骨盤内の血流を底上げし、自律神経を整えておくと、驚くほど楽に過ごせるようになります。
長期的な安定
当院では、その場の痛みを抑えるだけでなく、日常的な自律神経のバランスや骨盤内の血流を安定させる治療を鍼治療と整体治療で行います。東洋医学的な目線で体質から見直すことで、数ヶ月後には「今月は痛くないかも」と思える日を増やしていくことが可能です。
実際に以前月経痛で悩まれていた患者さんは、毎月ピーク時は仕事を休んだり、家族にイライラをぶつけてしまって嫌になると悩んでいましたが、月経前に治療をすることで痛みが体感で半分以下になり、仕事を休んだりせず、精神的にも落ち着いて過ごせるようになったという方がおられます。(今では毎月治療しなくてもダウンするほどの痛みは来ないそうですが、たまにメンテナンスしています)
月経痛は必ずやってくるものなので諦めて耐えている方も多いです。生理現象なので完全に痛みがなくなるものではありませんが、患者さんの体感では気にせず生活できるくらいにはなります。
辛いけど婦人科に行くのは気が引けるという方も、一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。


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